朝から熱心にスマホを握りしめ、両手を動かす子供たちってたくさんいますよね。しかし、ゲームに興じるのは子供たちだけとは限りません。
通勤時間帯の電車の中で、ゲームに夢中のビジネスパーソンを見かけるのは決して珍しいことではありませんよね。
近頃は外で友達と会うのではなく、自宅でゲームを通して友達と交流するという若者が急増しています。かつてはゲームと言えば一人で楽しむもの、というイメージでしたが、今はオンラインでつながった複数と競うタイプのゲームが主流です。また、ソフトウェアを購入しなくても、SNSのアカウントさえあれば利用できるゲームも増えています。
ゲームの種類も多彩ですし、それを創り出す側、つまりゲームクリエーターは憧れの職業の一つにもなっています。
しかも最近では、eスポーツ(electronic sports)というコンピューターゲーム、ビデオゲームを使ったスポーツ競技まで生まれています。
すでにアメリカでは、eスポーツをスポーツとして認めているので、所謂プロのゲーマーをスポーツ選手と正式に認定しているほどです。残念ながら日本は少し遅れていますが、韓国や中国でもeスポーツがすごく盛り上がっていて、市場規模もかなり拡大してきています。
ゲームの世界はどんどんグローバル化が進んでいます。
世界中のゲームファンが最新ゲームの世界同時リリースを待ちこがれ、日本発のゲームであれば、そのコンテンツは最低でも英語、発売国の言語に翻訳するのが当たり前になっています。
ゲームは感覚でやるものだから言語は関係ない、なんて思ったら大間違いです。多くのゲームは、それぞれストーリー構成があり、固有の世界観にゲームプレイヤーは夢中になります。コンテンツを翻訳する上でも、その世界観を十分に理解する必要があるわけです。
現在、ゲーム翻訳は一つの翻訳ジャンルとして確立されています。
ここからは、ゲーム翻訳の特徴をふまえ、外注する際に気をつけたいポイントをご紹介します。
ゲーム専門の翻訳者に依頼する
翻訳を外注する際に共通する注意事項は、目的の分野にあった専門の翻訳者に作業を依頼することで、ゲームの場合も同様です。
ただし、ゲーム翻訳の翻訳者ならでは特徴として、翻訳者自身がゲームプレイヤーである点が挙げられます。
他のジャンル、例えば医療であれば、翻訳者が医者である必要はありませんし、法務ジャンルでも、翻訳者が必ずしも弁護士である必要はありません。けれども、ゲーム翻訳については、翻訳者本人がゲームを実際にやる人であるかどうかで、翻訳の質に大きな違いが出てきます。
ゲームマニアである必要はありませんが、少なくともゲームを毛嫌いするような翻訳者ですと、質の良いゲーム翻訳は期待できません。
ゲーム翻訳を目的に翻訳会社を選ぶ際には、ゲーム翻訳の分野があることを公表しているところがベストです。公表されていない翻訳会社の場合は、トライアル翻訳のサービスを利用して、ゲーム翻訳が可能かどうかを事前確認して下さい。
テキストだけじゃなくコンセプトを共有する
先にも書きましたが、ゲームを楽しむ人にとってゲームの魅力はその世界観にあるという方はとても多いです。
グラフィックの美しさや、キャラクターの美しさや性格など、あらゆる要素に統一感が必要です。キャラクターの話す内容もしかり。ゲーム翻訳を依頼する時は、コンテンツのテキスト原稿だけを提供するのではなく、ゲーム全体のイメージをなるべく詳しく翻訳会社や翻訳者へ提供しましょう。この段階はとても大事です。イメージがずれてしまうと、翻訳も全く使えないものになってしまうからです。
キャラクターの年齢や性格の他、そのゲームを楽しむターゲット層などのマーケティング情報も、翻訳する側にとって非常に参考になります。
最近の主流であるシリーズ展開しているようなゲームは、過去のゲームや今後の展開についても考慮した翻訳が必要です。このような情報提供作業を簡略化し、キャラクターやゲームのイメージに一貫性を持たせるためにも、ゲーム翻訳はできるだけ同じ翻訳者に継続して任せる方が良いでしょう。
ネイティブチェックで自然な表現にする
ゲームを楽しむ年代は、どちらかと言えば若い世代が多いようです。
若い人たちの間で交わされる日常の会話や表現がゲームの中でも使用されることで、違和感なくゲームの世界を楽しみやすく、また親しみやすくします。翻訳そのものは、必ずしもネイティブである必要はないかもしれませんが、納期と予算に余裕があれば、できるだけネイティブチェックを入れましょう。
注意していただきたいのは、このネイティブチェックもゲーム専門であること、です。ネイティブなら誰でも良いというわけではありませんし、単に趣味としてゲーム好きのネイティブでも心配です。理想は、ゲームのトレンドと、ターゲットとするゲームプレイヤーの世代に応じた表現に精通しているネイティブ、です。
納品後の修正対応を確認する
ゲームには、スマホで行うもの、PCで行うもの、あるいはPlaystationなどの専用デバイスで行うものと、大きく3つのプラットフォームに分類されます。
プラットフォームは違っても、リリース前にそれぞれの環境で使用感をテストするのは共通しています。そしてその段階で、コンテンツに修正が加わることも少なくありません。ゲーム翻訳では、一旦納品した後に修正や追加の翻訳依頼が必要になることが多いため、その時にも同じ翻訳者やネイティブチェック担当者による対応を確約してくれる翻訳会社を選ぶことが大切です。
翻訳会社によっては、納品後の一定期間は無料で修正や追加翻訳に応じるというサービスを提供しています。翻訳予算が限られている場合には、一考の価値ありですが、その時も同じ翻訳者が担当してくれるのかどうかを必ず確認しましょう。また、追加翻訳や修正のボリュームがあまり多い場合には、追加料金が発生する可能性もありますので、その点も是非確認して下さい。
まとめ
ここまで、ゲーム翻訳を外注する際に気をつけたい主なポイントをご紹介しました。ゲーム翻訳はまだ新しいジャンルですが、需要は急速に高まっています。
ゲーム翻訳独特の特徴もありますが、他のジャンル同様に、やはり経験と実績が豊富な翻訳会社に依頼するのが一番安心です。
高品質の翻訳で、ゲームがより面白くなれば、最高ですよね。より良いゲーム翻訳のために、ご紹介したポイントをどうぞお役立て下さい。